さいきんの読書3:ヨーロッパぶらりぶらり ほか

前職が謎なのですが、思い立って退職して、ひとりレコードレーベルの社長をしている方がいます。

彼がかかわるコンサートのお手伝いをちょこちょこ、したりして
谷川俊太郎さんの会では、打ち上げで隣に座らせてもらったこともあります、きゃ!

彼の手配するコンサートを何回か、お手伝いしたことがあるのですが
演者も、お客さんとしてやってくるひとも
世間の名声とか、社会的にとかではなく(いやそれもあるけど)、すごい人がいる。
何者なんだ。

FBでもお友達である彼は毎日、日々のささやかな写真をアップします。
なにげない日常の風景を切り取ってるのだけれど、すごく味を感じる。
何者なんだろう。前職、なんだったんだろう。

それから、蔵書であろう、本の表紙写真もたびたび、アップする。
キャプションなしで。
その本の表紙の装丁も、題も、著者もよいのよねえ。
こんだけ、素敵な本を持ってるなんて、何者なんだ。

アップされる本のなかで、気になった「闇市」を買ったら、これがとてもよかった。 

闇市 (新潮文庫)

闇市 (新潮文庫)

  • 発売日: 2018/07/28
  • メディア: 文庫
 

 これでアンソロジーのおもしろさ、編集者の底力を思い知ったものだった。

そんな彼の先日のアップを参考に、図書館で借りてきたのが山下清の「ヨーロッパぶらりぶらり」 

ヨーロッパぶらりぶらり (ちくま文庫)

ヨーロッパぶらりぶらり (ちくま文庫)

  • 作者:山下 清
  • 発売日: 1994/09/01
  • メディア: 文庫
 

 まだ読み始めて数ページなのだが、おもしろい。
昨年ハマった深沢七郎に通ずるものを感じて、
深沢七郎が精薄だの、山下清の再来だの言われてたというのに合点がいった。

続きが、楽しみ。

同時に図書館から借りたのは「葬送の仕事師たち」 

葬送の仕事師たち(新潮文庫)

葬送の仕事師たち(新潮文庫)

 

 こちらはいつものネット記事から興味を持って。
読み応えがありそうで、たのしみです。

さいきんの読書2:なぜ「活動家」と名乗るのか

ここのところ図書館は入館するとカウンターに直行、
ネット予約した本を受け取って帰るだけでしたが
こないだは珍しく、心身に余裕があったので館内を見て回りました。

そこで、以前から気になっていた湯浅誠さんの本があったので借りることにしたのです。

なぜ「活動家」と名乗るのか

 

なぜ「活動家」と名乗るのか: 岩盤を穿つ (ちくま文庫)
 

 文庫版になるにあたっての前書きを読むと、
10年以上前に書いたので、当時の自分と考えや方法が違っている部分もあるが
参考になればと思ってそのままにする。というようなことが書いてありました。
いま現在、どのように変わったのかはまだ知りませんが
どのように活動をはじめ、どのように取り組んでいるのかに興味をもっていたので
それを知れてよかったです。

読んでて正直、「自分が役所側だったら、こんな人いやだなあ~」と思いました。
役所の「水際作戦」もひどいものだし、
このひとと周囲の活動のおかげで、「生活保護をもらうのは恥ずかしくない」
「人間として最低限の保障がされるべきである」という考えが浸透してきたとは思いますが
ついつい、「自分がこの人に対応する側としたら、メンドくさいひとだな~」という想像も働きました。

しかし、この本を読んだことで、自分の根っこが強くなった、と感じました。

社会に都合のよい人間になるよう教育を受けてきて
会社にとって役に立つ人間であろうとしてきて
社会、会社の考える優秀をめざして
それ以下を切り捨てる考えでやってきた。
それをやめることで
自分にやさしくなれた気がしています。

そしてまた、
「ひとは、いろんな立場、主義主張でものを言い、行動するのだなあ。
いちいちそれに影響されないよう、あまり人に寄り添いすぎず、自分は自分でいけばいいのだな」
ということがひたひたと、身にしみこんできている今日この頃であります。

さいきんの読書:不動産屋にだまされるな

読書はジャンルのちがうのを平行して、気分に応じてあっちゃこっちゃ読んでいます。
図書館で借りたのだったり、買ったのだったり。

図書館で借りるのはたいてい、ネットや新聞などで書評や内容の紹介をみて興味をもったもの。
買うのは、そうした中で「これは、手に入れたい!」と強く思ったものをネット発注するか、書店にぶらりとでかけて一目ぼれして連れて帰るかしたもの。

この「不動産屋にだまされるな」はネット新聞の記事で一部紹介されていたところから
図書館蔵書を検索してネット予約したクチ。

 

 相続税・不動産税務を専門とする公認会計士・税理士である著者が
不動産屋の仕事のカラクリや業界のあり方などをわかりやすく解説し
税金についてのあれこれも説明してくれる、とっても役に立ちそうな一冊。

昨年はあちこちで(選べるとして)「住処は持ち家か賃貸か」という論争をみかけ
「賃貸がいいよ。いつでも移動できるし(転勤等の邪魔にならぬ)、新しいところ、気に入ったところに好きに動ける。
税金もつかないよ。いまの時代、年取ったって賃貸みつかりますよ」
という意見が多かったように思います。

経済学の先生すらも、賃貸の家賃とローンの支払い、税金のデータを出して比較、
「賃貸で決まり」
と言ってるひともいましたが

賃貸だったら、礼金も必要だし、更新料もかかってくるじゃん。
(その先生は、それらをデータに入れてなかった)
それに、年取って仕事がなくなり、身元を保証してくれるひともいなかったら
賃貸とか難しくなるんじゃないか?

と、分譲マンションもちの私としては思うわけです。

それに、賃貸アパートだったら壁薄いけど、分譲だったら造りがしっかりしていて
音漏れしにくいよ。とも。
もちろん、分譲貸ってのもあるけどさ。

池上彰せんせいの本を読んでみると、「個々の事情に合わせればいいと思います」と書いてある。

ネットの意見--実際賃貸、分譲マンション、戸建て、注文住宅に住んでるひとたちの意見をきくと
やっぱり個々の事情や好みによって違うみたい。けれどやはり、「年取ってからの部屋さがしは難しいです。貸したがらないところが多い」という、そういう方々を補助している専門家の言葉もみかけました。「賃貸で決まり」という人々は、社会的に強い立場にある方々、年を取って収入や立場が弱くなる不安のないひとなんじゃないかなあと思いました。

うちは、夫婦ふたりとも車も免許も持たないので、駅から10分でちかくにコンビニやスーパー、生活に便利な施設がある立地で暮らしやすく日当たりもよく、とても満足しているのに
「分譲なんてナシナシ、断然賃貸ですよ」
という論調を読んで我が家が否定されたような気持ちになったりしたこともありますが

あれこれを読んで、じぶんでじっくり考えた結果
「個々の事情により、それぞれ。うちとしては、これでよい」
と、当然と言われれば当然なんですが、自分としてはあれこれ読んで考えた末の納得の答えにたどりつきました。

そこでこの本を読んで、それを裏打ちされた気分。

興味深かったのが、著者が「不動産屋に大幅に中抜きされないように、貸したい、売りたいというひとと、借りたい、買いたいというひとが直接つながるようになれば」と思っているものの、実際は難しく、こういう事業が興されては消えていっている…というくだり。
たしかに、自分の経験から考えても、いろんな癖のあるひとや、甘えるひとがいるので
両端を直接つないでやりとりするのは難しいかもなあ…と思いました。
やはり、冷酷非情に家賃を取り立ててくれる、間にはいって問題解決してくれる不動産屋、管理会社がいてくれるので大家が手を煩わせずにすみ、店子が大家のわけのわからん理論に振り回されずに済んでいるわけで。
実際、大家と店子が直接やりとりして、いい関係を築いているケースもあるとは思うのですが、それはそれで、多くは仲介業者のおかげで助かってる部分があるので、なかなか、なくならないと思うのですよねえ。

じっさい、本のなかで紹介されていた「貸したい人、借りたい人をつなぐプラットフォーム」をみてみたところ、事業終了していました。わずか2年程度だったみたい。
なかなか一筋縄ではいかん、難しい業界ですね~。
でも、これまでほど暴利をむさぼらない不動産会社も増えてきているようなので、心強い。

不動産屋のしくみ、税金の損得、相続税のこともとてもわかりやすくてとても勉強になりました。

苦手意識で逃げてばかりおらず、不動産や税について、もっと勉強しよう~と思ったことでした。

 

 

「ミシシッピ」は約1秒

現職に不安を抱いた2年ほど前から、オンラインの副業をやってまして
といっても、実際お金になるようなことしたのは2回ばかし…しかも雀の涙ほど。
海外の会社で、まずは英語でテスト受けて登録、それから自分にあった仕事を選んで登録、選ばれたら仕事するってやつです。

しかし、自分に合うと思い、そして応募したとて選ばれるのがなかなかないんよね~。

てなわけで、しばらく離れていて、こないだひさしぶりに舞い戻ってみたら、前回仕事したのは2年前で合計2回ほどってのを発見。

今回、興味ある仕事の案内があり、また現職に不安を抱いた時期でもあったので
とある案件に応募して、オンライン適性テストを受けたんですね。

んで、説明書に「1秒間以上の沈黙があったら、このタグをつける。"Mississippi"は発音するのに大体1秒かかるので、それを目安にしてください」とある。

へえ~、そうなんだ。参考になりました。

というわけで、きょうの雑学でした。

時代はかわる そして慣れる

まさかマスクしてないほうが不審者扱いされる時代がくるとは思ってもいませんでしたよね。

近所のスーパーが改装して、リニューアルオープンってことで行ってきました。
床を張り替えて、レイアウトがいまどきになってました。
これまでと棚の長さ、配置が変わっていたので
最初はとまどいましたが、すぐに慣れました。

ひとは、ビックリするくらい素早く適応する。

思い返せば、4年くらい前、当時の職場で
セミナー室で発表のある先生がやってこられて
当時はまだUSBで資料もってくるのが普通だったのに
「資料はクラウドに保存してあるんだよねえ」
とか言って、コンプータを操作してました。

そのときは(たった4年まえなのに!)
クラウド」という認識が一般には知れ渡っておらず
(その先生は最先端の新しいもの好きで、オンライン講座も日本で最初くらいに始めてた)
「じぶんのコンピュータに大事な資料を保存していないなんて、なんて迂闊な人でしょう!」
なーんて思ったものですが、いまじゃ
「(仕事関係書類の)保存はクラウドっしょ。ひとつのコンピュータにしか情報保存してないなんて不便で不便で、…」
なーんて思ってる。

慣れ親しんだほうが見慣れてるから、使い慣れてるから、味わい慣れているから、
ひとは「新しいもの」に目がない一方で、新しいものに抵抗・反発もする。
けれど、一旦受け入れてみると、ビックリするくらい素早く適応する。

年末、自宅のマイPCがぶっ壊れたので夫が新しいのを買ってくれた。
モニターはそのままに、パソコン本体だけを買ったところ
キーボードもついてきたのだけれど、
「新しいののほうが小さめ。薄い。使いづらい」
と言うと夫はやさしく
「ひとは使い慣れているもののほうがよいと感じるからね」
と新しいものは強制せず、戸棚にしまっていた。

ところが2か月もしないうちに、キーボードの足を孫にぶっ壊された。
キーもひとつふたつ、外れているところもあるし
新しいものをひとつ、出してみっか!あることだし。
と使い始めると、選択肢があるときはぶぅぶぅ言っておりましたが
「もうこれしかない」と覚悟を決めたのですぅっと、ものの数分で慣れてしまいました。

そういえば、飲食系のちいさな店をやっていた父が、新しい商品のアイデアを出したとき
家族全員「ありえへん」と反対したのに、いざ世に出してみると人気商品となり
いかにひとの意見のあてにならんことか、を思い知りましたが
新奇な商品を世間はすっと受け入れるんだなあと感心したとともに
あんなに反対したくせに、家族もたちまち慣れて
反対したことなど忘れたかのように振る舞っていたことを思い出しました。

大手菓子会社の商品もマイナーチェンジしたり、大きく変わったりしていて
大きく変わると、昔からのファンが残念がったり
あれやこれや、賛否両論だったりしても、ひとびとって、すぐ慣れますよねえ。
事前や、当初言われてたほど大問題ではなかったのだな、…と思うことも多々。

それやこれやをみるに、
何も考えずに新しいことに感情で反発する、ということをせず
もうちょっと落ち着いてみようかなーとか、
じぶんが何か新しいことをしようとして反対にあっても、
必要以上に落ち込んだり、方向転換する必要はないのかも、と思えてきました。
もちろん、周囲の状況を考えないごり押しはいけませんが。

そして、時代に即してじぶんも変わる必要のあることもあるけれど、
無理して変えなくてもいいものもあるな、とも。

きょうのひとりごとです。

出会いをもとめて

現在つとめているところは
大手のホワイト企業だった前職とちがい
ワンマン社長の超零細企業

え、それって労基法違反でわ。。。
ってこともあるんだけれど
この界隈のひとって
「これが普通だ」
と信じてるんですね。
で、変える気もない。

前職のひとたちとの食事会でその話すると
「労基に駆け込め」
と言われるんだけど、
従業員超すくないから、
いくら「わたしが通報したと、ひとつご内密に…」つってもすぐバレそう。

そうしたら、居場所なくなるし
いい加減ええ年の、とくに資格も特殊技術もないおばはんが
いまの給料と同じくらいくれる仕事みつけられると思えへんし
黙って我慢しているわけですが

ときどき起こる、
とある別事務所のスタッフの動きが社長の逆鱗にふれて
「もういい!頭にきたので2日間業務停止」
とかいって、きゅうにこの木、金やすみになった。

いろいろと不安はあるけど
いろいろ考えてもどにもならんし
せっかく降ってわいた休みだから、たのしく過ごそ~
と思って昨日木曜日、出かける準備していたら
当の社長を怒らせたスタッフから電話。

ひとには言わんでもいい
じぶんのネガティブな考えを言うし
それをまた別のひとに連絡しようと思ってるというので
「いたずらにひとを不安にさせる情報連絡してどうしたいの?」
と冷たく言ってしまった。

そんなんで、出鼻をくじかれたけれど
気を取り直して、河原町へ。

お金は使わんと決め込んでいたので
いろんなお店をまわったけれど
チェックするのみで、当初の予定どおり、あまりお金使わんかった。
丸善をのぞいては…。

洋書コーナーチェックしてて
ふいと手に取った
"The Writer's Guide to Good Style"

 

 基本的なグラマーから句点、読点の気の利いた使い方
場面、読者による書き方、要点のまとめ方
SNSによる性質のちがい、それに合わせた書き方など
とてもわかりやすくて役に立ちそうだったので
3,300円とわたしにとっては高値だったけれど、しばしの逡巡のあと、買うことに。

カズオ・イシグロの本も買ってみようかなと手にとったけれど、「いまじゃない」と感じたので棚に戻す。

そのあと、トイレに行こうとしたら
ちかくでやってる洋書セールに気づく。
そこで、ブコウスキの"The Most Beautiful Woman In Town"

www.biblio.com

が500円であるのを見つけて買うことに。

帰宅して調べてみると、"The Writer's Guide to Good Style"はネットで安く手に入った!

でも、あの「出会い」が大事なんよなあ。

書店での「出会い」が好きで、お金ないくせにたまに身の丈以上の本を買ったりしマス。

書店でフト目についた本を買い、著者に連絡をとってみてお友達になったこともあるんだヨ。

Let Luv Rule

お題「#この1年の変化

やっと届いたよ!
EpimoniaのCitizenship Braceletが。

f:id:shinoginko:20210218225809j:plain

Citizenship Bracelet

以前もこれについて書いたのだけれど(↓このページの下のほう)

shinoginko.hatenablog.com

数年前にUN(国連)のツイートで知ってからず~っと買いたいと思っていた、
元難民の青年が起業した、アフリカ大陸からの難民が地中海を渡ってきたときに
身に着けていた救命胴衣をリサイクルして作られたブレスレット。

海に打ち捨てられた救命胴衣をNPOのスタッフが回収して、
オランダに運ばれ、そこで加工されてアメリカに届くようです。
難民や元難民が多くかかわっている事業で
選ぶブレスレットによって、奨学金になったり、
食糧支援になったり…わたしが選んだのは、難民がアメリカの市民権を得るための資金にするもの。

支援とはいえ、せっかく買うのだから、好みの色の、身に着けたくなるものを選びたくて、
一番気に入った色は、この市民権支援ブレスレットでした。

買ってから一か月ちかく、ずーっと毎日毎日
USPSの追跡サービスをチェックして、到着をたのしみにしていたのがきょう、届いた。

さっそく、手首につけてみる。
金具がずっしり重くて、ここちよい。

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右手首につけてみた。

これが、地中海を命がけで渡ってきた難民のきていた救命胴衣の一部…
と思うと、思いがけず、ぐっとくるものがありました。

ほめられた人間じゃない。
ちいさな、自己満足な援助しかできない。
でも、できることをしていきたい。

以前からそういう気持ちはあったのだけれど、
昨年、「コロナ禍で困っている生産者のものを買うことで助けよう」
というFBのグループを知ってほんとにたくさんのものを買ってから、

shinoginko.hatenablog.com

(その後もさらにいろいろ買った)

寄付とか支援とかいうのに及び腰だったのが、垣根がすこし、低くなったようです。

そうして、上記「WakeAi」で知って何回か買ったコメ農家さんのお米

shinoginko.hatenablog.com

を先日ようやく、わずかではありますが、京都でひとり親家庭などで
食糧支援が必要な方々に食料を届ける活動を行っている「セカンドハーベスト京都」さん

www.2hkyoto.org

に寄付させてもらいました。

聖人君子でなくていい、ただの嫌なやつのわたしだけれど
レニー・クラビッツ様が言っている"Let love rule"(愛で世界をまわそう)を勝手に標語にしています。