さいきんの読書:不動産屋にだまされるな

読書はジャンルのちがうのを平行して、気分に応じてあっちゃこっちゃ読んでいます。
図書館で借りたのだったり、買ったのだったり。

図書館で借りるのはたいてい、ネットや新聞などで書評や内容の紹介をみて興味をもったもの。
買うのは、そうした中で「これは、手に入れたい!」と強く思ったものをネット発注するか、書店にぶらりとでかけて一目ぼれして連れて帰るかしたもの。

この「不動産屋にだまされるな」はネット新聞の記事で一部紹介されていたところから
図書館蔵書を検索してネット予約したクチ。

 

 相続税・不動産税務を専門とする公認会計士・税理士である著者が
不動産屋の仕事のカラクリや業界のあり方などをわかりやすく解説し
税金についてのあれこれも説明してくれる、とっても役に立ちそうな一冊。

昨年はあちこちで(選べるとして)「住処は持ち家か賃貸か」という論争をみかけ
「賃貸がいいよ。いつでも移動できるし(転勤等の邪魔にならぬ)、新しいところ、気に入ったところに好きに動ける。
税金もつかないよ。いまの時代、年取ったって賃貸みつかりますよ」
という意見が多かったように思います。

経済学の先生すらも、賃貸の家賃とローンの支払い、税金のデータを出して比較、
「賃貸で決まり」
と言ってるひともいましたが

賃貸だったら、礼金も必要だし、更新料もかかってくるじゃん。
(その先生は、それらをデータに入れてなかった)
それに、年取って仕事がなくなり、身元を保証してくれるひともいなかったら
賃貸とか難しくなるんじゃないか?

と、分譲マンションもちの私としては思うわけです。

それに、賃貸アパートだったら壁薄いけど、分譲だったら造りがしっかりしていて
音漏れしにくいよ。とも。
もちろん、分譲貸ってのもあるけどさ。

池上彰せんせいの本を読んでみると、「個々の事情に合わせればいいと思います」と書いてある。

ネットの意見--実際賃貸、分譲マンション、戸建て、注文住宅に住んでるひとたちの意見をきくと
やっぱり個々の事情や好みによって違うみたい。けれどやはり、「年取ってからの部屋さがしは難しいです。貸したがらないところが多い」という、そういう方々を補助している専門家の言葉もみかけました。「賃貸で決まり」という人々は、社会的に強い立場にある方々、年を取って収入や立場が弱くなる不安のないひとなんじゃないかなあと思いました。

うちは、夫婦ふたりとも車も免許も持たないので、駅から10分でちかくにコンビニやスーパー、生活に便利な施設がある立地で暮らしやすく日当たりもよく、とても満足しているのに
「分譲なんてナシナシ、断然賃貸ですよ」
という論調を読んで我が家が否定されたような気持ちになったりしたこともありますが

あれこれを読んで、じぶんでじっくり考えた結果
「個々の事情により、それぞれ。うちとしては、これでよい」
と、当然と言われれば当然なんですが、自分としてはあれこれ読んで考えた末の納得の答えにたどりつきました。

そこでこの本を読んで、それを裏打ちされた気分。

興味深かったのが、著者が「不動産屋に大幅に中抜きされないように、貸したい、売りたいというひとと、借りたい、買いたいというひとが直接つながるようになれば」と思っているものの、実際は難しく、こういう事業が興されては消えていっている…というくだり。
たしかに、自分の経験から考えても、いろんな癖のあるひとや、甘えるひとがいるので
両端を直接つないでやりとりするのは難しいかもなあ…と思いました。
やはり、冷酷非情に家賃を取り立ててくれる、間にはいって問題解決してくれる不動産屋、管理会社がいてくれるので大家が手を煩わせずにすみ、店子が大家のわけのわからん理論に振り回されずに済んでいるわけで。
実際、大家と店子が直接やりとりして、いい関係を築いているケースもあるとは思うのですが、それはそれで、多くは仲介業者のおかげで助かってる部分があるので、なかなか、なくならないと思うのですよねえ。

じっさい、本のなかで紹介されていた「貸したい人、借りたい人をつなぐプラットフォーム」をみてみたところ、事業終了していました。わずか2年程度だったみたい。
なかなか一筋縄ではいかん、難しい業界ですね~。
でも、これまでほど暴利をむさぼらない不動産会社も増えてきているようなので、心強い。

不動産屋のしくみ、税金の損得、相続税のこともとてもわかりやすくてとても勉強になりました。

苦手意識で逃げてばかりおらず、不動産や税について、もっと勉強しよう~と思ったことでした。