経済についての本を読んでみた

こないだから、「もちょっと経済について知ってみようかな」と思っております。

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それで、ネットで「初心者にお勧めの経済の本」というのをググり
おすすめ本の紹介を読み、いくつかをメモしておきました。
京都市図書館が再館となったので、リストのなかの一番簡単そうな
「経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ」池上彰
を予約して、借りてきました。

 

経済のことよくわからないまま社会人になった人へ【第4版】

経済のことよくわからないまま社会人になった人へ【第4版】

  • 作者:池上彰
  • 発売日: 2019/02/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

それを今日から読み始めたのですが、
期待していたのより簡単すぎて、しまった、と思ってしまった。
いまどきの「さわっとわかった気分になれるような」あさ~い内容で
大きな見出しで各項目1ページくらいで、目次を読めば内容が把握できるやつ。
さすが池上先生、わかりやすく、経済の視点からと読者にやさしく寄り添った語りで
同意はできるのですが、自分はもうすこし、詳しい本が欲しかったので
リストの次の本を予約してみようと思いました。

その池上先生本、借りたからとりあえずさらっと読んでしまおうと
見出しを確認してざっと中身をみて、意味がありそうな箇所だけ拾い読みしてずんずん進んでいるのですが、「やさしい用語解説」のところで「まさに」と思った部分がありました。

リストラは会社のダイエットのようなもので、やり方を間違えると健康によくない、としたうえで
「リストラを始める企業はよく『希望退職』を募ります。ところが『希望退職』を募ると、どこに行ってもやっていける自信がある優秀な社員が真っ先に辞めていくという事態が生じます。優秀な人間が辞め、能力のない人間が会社にしがみつくのですから、その企業の業績が上がるはずもありません。それこそ、無理なダイエットの弊害そのものでしょう。」

15年ほど前、日本人なら誰でもその名前を知る大企業で派遣社員として働いたことがあるのですが、そこにいるときまさに「早期退職募集」がありました。
はやめに退職すると、退職金を割り増してあげるよ、というやつです。
そうして退職金を割り増ししても、その後の人件費や経費に比べると会社にとって割安なのだそうです。
そこで人事ともつながりのある正社員の方にきいたのが
「辞めてほしいひとこそが応じず、面談でなんとか退職に持っていこうとしても頑としてしがみつき、いてほしかった優秀な人物がやめていっている」
という話でした。

わたしが所属していた部署の所長さんも、ずいぶん悩んだ末に退職されましたが
能力、経験、実績のある方だったので同業他社、
それまでいた大手よりかは小ぶりですが、よほど心のあるところに声をかけられて
また、某地方国立大学の関連研究の客員教授にもなり、研究と仕事をたのしく続けておられます。

池上先生の解説を読んで、「希望退職の罠」、まさにそうだったなあ、とあのときを思い出しました。