しがらみを切り抜けて

エマニュエル・トッドの「問題は英国ではない、EUなのだ」を読了しました。

 

 このコロナ禍で、この本を借りている京都市図書館が臨時閉館、
いきおい、貸出期間も延長されて
慌てて読む必要なかったんだけれど。

平易な言葉で言っているけれども、考えさせられることばかりなので
ほぼ一カ月延長された貸出期間の間読み返し、
やはり必要だと思えば購入しようと思っています。

思うところは多々あるのですが、きょうは「場所の記憶」に絞って。

トッドが言うことのひとつに、
「一見強固にみえる、その家族の文化は、場所を変えると容易に変化する場合がある」
というようなことがあるのですね。
それを、実体験として感じています。

わたしは、実家、実家の地方の文化が嫌いでした。
男尊女卑で、封建社会で、親の言うことは絶対で、年長者のいうことは有無をいわさず尊敬しなければいけなくて、これと決まった家だけが偉い。
大阪に移住した母の弟にひさびさに会ったら、
「弟の奥さんが、夫を立てないのにビックリした!」
と非難がましく母が言いました。

女は男性を立ててナンボで、三歩さがっていなければいけませんでした。
うちのことを、周囲はみんな知っていて
「あそこの(家の)娘」
がどうしたこうしたと言われるので、また双方の両親のためにも、
世間体のほうが、子どもの幸せより大事な家庭でした。

なのでそこを飛び出して
「日本人の女性は意見がないから面白くない、マリちゃんみたいに自分を持ってるひとがいい」
と言ってくれる夫と一緒になり、
親も子も平等で自由に意見を言い合える家庭をつくりました。

経済的にだけでなく、文化的に、そこから逃げ出したいひとっているのでしょうね。
わたしのように。

それをみても、トッドの言うことは合っていると思うのです。