以前から言うてることですが、「ほんとに賢いひとは、ひらがなでしゃべる」。
はじめて同じ会社に勤めるひととして出会った時、
超頭のいいわたしの夫はほんとに親切にわかりやすく、
なにもわからないわたしにコンピュータ関係のことを教えてくれたし
その後であったひとや本を読むに
多くの真に頭のいいひとは、腰が低く、わかりやすく話してくれる。
中途半端に「自分は頭がいい」と奢っているものが
ちょっと小難しい言葉遣いや言い回しをして
ふつうのひとがあたふたしてるのを見下げたりしておる。
それが、下品なことだとも気づかずに。
英語にしたって、わけわからん英単語ふりまわさずに
やさしい日本語で説明しろ、と思う。
まあ、英語で定着して、そっちのほうがわかりやすくなってる言葉を
無理やりわかりにくい日本語にする必要はないと思うけれど、
ある程度英語がわかる者として、やたら英単語を知ったかぶって使うひとは恥ずかしいと思っています。
そんなところへ、ここんとこもうええわ!というくらい
繰り返し話題にしているエマニュエル・トッドさんですが
「問題は英国ではない、EUなのだ」
はかなりおもしろく、彼も真にリラックスした知識人で
平易な言葉で深いことを語るひとだと感じました。
いくつかに章がわかれており、
それぞれ日本の出版社によるインタビューや
日本での講演会、お話会での話をまとめたものだそうで、
あとがきをみてみると、トッドさんの特色、これがポイントだというところを描き出そうとしたそうです。
トッド入門編としてよいのではないでしょうか、とあるように、基本の視点がわかり、たしかによかった。
そしてこの本を読み始めてすぐ気づいたのが、トッドさんが平易な言葉で語っていることでした。
本人もそのことに言及しているのですが、それがおもしろかった。
「言葉への警戒心から、あえて簡単な言葉でしゃべっている」
「わざわざ定義づけせずに、一般的に思われている概念の意味を利用して話している」
とのこと。
それっておもしろいなあ、と思いました。
その他、いろいろいちいち考えに沈む問題提起があり(とくに考えているのは「国家とは?」「日本人とは?」ということ)
これから考えてまとめては、伝えられるレベルになれば、書いていきたいと思っています。