エマニュエル・トッドを読み始めた

この2,3か月ほど、図書館からせっせと本を借りては読んでいます。
ネットや新聞の書評や言及で気になったものを、京都市図書館のインターネット蔵書検索で検索、みつかったら予約して。

これは数年前からしてはいたのですが、それまで休止活動くらいのいきおいだったのが
ここ2,3か月ほど活動再開、せっせと読んでおります。
ネットでは広範な情報を得ることができますが、
やはりテーマを絞ったものにじっくり取り組んだり
文学の力というものを再発見したり、なによりしじゅうPCの前におるのは
ちょっと避けてみようというのがそもそもの発端だったのですが、
ほんとにいろんなひとの考え方、表現、模索などなど
読んでいてたのしい。ときには、本を閉じて手に持ったまま、自分の考えをさぐったり、まとめたり。

そんなこんなで、ようやっとエマニュエル・トッドを読み始めました。

日本では人気の、歴史人口学者です。

ja.wikipedia.org

今回借りたのは
・問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論
グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書)

www.amazon.co.jp

数年まえに、「ソ連の崩壊やトランプ大統領の出現などを予言した」とか言って
新聞でもてはやされていて、読書家の友達も「おもしろいで」と言っていたのですが
勝手に思想家な印象を持っていて、どこかしら、避けていたかも。
そうしたら、本人は「自分は哲学者ではないし、哲学的な『予観』はしない、
いつでも歴史をみてそれから予測を組み立てている」
というようなことをおっしゃっている。

わたしが全然興味を持っていなかったドイツという国が
EUのなかで幅きかせているのを知ってびっくり。
「英国人は意識していないかもしれないが、ドイツが力を持っていることへの反感も
BREXITの一因」
というのが、トッドさんの見立てでした。

今回借りたこの2冊はインタビューをまとめるという形なのでよりいっそうカジュアルな内容なのでしょうが
知識人なのに「うれしい」などの、個人的な感情をわりと多用するのにおどろきました。
けれど、それがときどき、日本の知識人ぶったひとが見せるような「感情的な」ものではなく
冷静な直感をまじえた感想、という感じで非常に興味深い。
2016年の本で、すでにボリス・ジョンソンのことを挙げてるし
さすがだな、というのと同時にわたしゃ、欧州のことなんもわかっとらんな
もっと情勢を勉強しなければと思ったことでした。