無駄な努力とよばないで

夫は外国人で、日本に住んで長いが、簡単なあいさつ程度の日本語しかできないし、もちろんほぼ読めない。夫婦の共通語はお互い母語ではない英語である。

とても優しいひとで、わたしが病気で寝込んだりすると、快く買い物に行ってくれる。けれど、日本語が読めないし、ふだん買い物についてきてくれるけれども、自分が興味あるものにしか興味ないのでスーパーにある商品の認識がわたしと違っていて苦労する。「いつものスーパーをはいって最初の棚の右側のここらへん」などと一生懸命説明するが、トイレットペーパーをお願いしてキッチンタオルを買ってきたこともあるし、「弁当、なんでもいいから」と言ったら寿司を買ってきたこともある。

「ありがとう、でも違うんだよなあ、寿司と弁当はわたしのなかでは違うんだ、、、」

じぶんがドンピシャで欲しいものはあきらめて、同じ種類のものを買ってきてもらえるだけで成功、と思うようにしてるんだけど。

文化のちがいや考え方のちがいで、じぶんの「当然」を覆されて新鮮、思い込みを気付かされてありがたいおもしろいことも多々ある反面、こういう苦労もある。

さてわたしの職場に、めずらしくもカップラーメンを備蓄していた。カップラーメンなんてふだん食べないのだが、5月から働き始めたこの職場で勝手がわからないころ、
「弁当(といっても残り物をつめて職場で温めるだけだけれど)を用意できなかったり、急な雨などでふきんの店に買い出しに行けなかったときのために」
と思って、スーパーで見つけたおもしろそうなカップ麺を買っておいたけれど、やはりふだんから食べないので結局食べないまま、ハタと気づけば賞味期限過ぎてしまった。

「ようし、これを夫に始末してもらおう」

と在宅の夫の昼食に指定することにした。

しかし、袋ラーメンの「サッポロ一番」はガイドなしで作れるが、カップ麺はカップヌードルしか作ったことのない夫、この「まぜ麺」はハードル高いぞ・・・。なにしろ、フタあけて、かやく(外国人に「かやく」ってどう説明すんだ?)、スープ、調味油とりだしてかやくだけ麺の上にだしてお湯をかけ、いつもの3分ではなく4分、それからフタを指定のとこまでソロリと開けてお湯をきり、スープと調味油かけてまぜるなんて難易度のたかい!!

なにも説明なしでポンと置いてたらとてもまともに作れないだろうなあ、優しいいい人である夫にそんな冷たいことできない。

と、がんばってご覧のとおり「どうしたらわかりやすいか?」を考えて英語で説明を書き、なおかつ老眼の夫も読める字の大きさで簡潔に、と心を配ったのだ。

んが、結局きょうはわたしの体調不良で休むことになった。口頭で説明できるし、なんなら作ってあげられる(それくらいの元気はある)。

わたしの、付箋説明書の努力は、、、、

頑張って書きましたのよ奥さん