親に会いたくない

事情があり、飛行機の距離のわたしの実家に身を寄せている娘と孫3人。

せめて上の孫2人は夏休みの間こちら京都で過ごさせようと
あれこれ考えて調整した結果、わたしが迎えに行くことにしました。

問題は、わたしの親との関係。

さいきん流行りの「毒親」という言葉は好きじゃない。
わたしの両親は、明らかな虐待親とちがって
世間的には「名士」とされるような中流家庭の親
しかし子どもの頃からヒステリックで感情的な母親から
理由もわからないまま突然殴られたり蹴られたりして
抑圧されて生きていた。
そして名士だからこそ、世間体が大事だった。

「いいご両親じゃない」
親を知るひとたちは間違いなくそう言うだろう。

けれど、それこそがわたしの苦しみをわかってもらえず、こころを蝕む。

視野が狭く短絡的で、独占欲が強くて感情的な母親に、どれだけ苛まれたことか。成人しても、長いこと苦しんできたか。

一見問題ない親との葛藤を抱えているひとは、意外に多いと
知的で魅力的な女友達たちと話していて思う。
それでも親は大事にしなければという圧や思いから苦しんだり
折り合いをつけようとしている。

親に対しては、20歳を過ぎてから反発したり、迷惑かけたりして
ジタバタしてようやく、なん十年もたってつい5年前
ある出来事をきっかけに、母親との連絡、面会を断って
ようやく、ほんとにようやく心の平安を得ている。

それが、娘と孫がお世話になっているからといって、父親が
「母親に一言お礼を言おう」
と働きかけてくる。

こないだから手紙を書けだの、一言お礼を言えだの言われてたのを無視してたけれど
今回いい機会だから、孫を引き取りに行く際に一度会って、お礼を言えと。
「親と子なんだから」ですと。
それに必死に抵抗しているいま。

小さい頃からわたしの親と親しくしている娘が今回頼ったのは、娘の勝手。
わたしのあずかり知らぬところだった。
それでも、親子二代で迷惑かけてるからと
父親あてに現金送ったり、お土産おくったりしてきた。
しかし、「あなたの娘、孫がお世話になっているのだから母親に一言お礼を」と言ってくる。

親世代は
「なにがあっても親は無条件に感謝してうやまうもの」
という信念がゆるぎない。

しかしわたしは母親に会う、連絡を再開するというだけで
それを考えるだけで、精神が不安定になってくる。
どうしても、どうしても会いたくない、連絡とりたくない。
「親不孝だ」とののしられようとも。

「孫が子どもに復讐してくれる」
とはたしか、夫がその親から聞いた名言。

子どもは親にはむかったり、迷惑かけたりするが
その子どもである、親からしたら孫が
子ども(孫からしたら親に)反抗したり迷惑かけて
親の復讐をしてくれるという。

たしかに、上の娘は10代荒れていろんなトラブルに巻き込まれたし
下の子はいちおう、まっとうな経歴だけれども
思春期ほどではないにしても、社会人になったいまも
ことあるごとにわたしを批判したり否定してきたりしてなかなかに苦労させられている。

お互いさまってことで~、
とわたしの両親も思ってくれたらいいんだけど、そうはいかないか。