ひとり我慢大会ちゅう

波がやってくる。
さいしょは静かに、間隔があいて。
それがだんだんと、間隔がせばまり、波は高くなってくる。
あなたはひたすら目的地に到着してトイレに飛び込むのを夢見て
バスの中で耐える…。

というようなこと、ありませんか。
わたしは、あります。

とはいえ、前職はある程度距離があったのでそういう思いをしたこともありますが
現在の職場は自転車で15分のため、苦しんだ記憶がありません。
せいぜい、きざしを感じて安全範囲内で余裕で到着、ゆうゆうとトイレへ。

しかしきょうは、問題が起きたのが出勤中ではないのです。

現在のオフィスは小さいもので、ワンルームが広いとはいえ、1Kの間取り。
設計したひとはなに考えてたんだいとも思いますが
(オフィス利用もありの単身の住居用というつくりのせいか)
トイレ内の音が、ベニヤ板のようなドアと壁を通してオフィス内に丸聞こえなのです。

いまのオフィスには基本2人しかおらず、
もうひとり(男性)がトイレにいってじょぼじょぼ放尿している音が聞こえる。
ネットで調べてみて、吸音対策の布をトイレの木のドアの内側に貼ったり、
会社に頼んで携帯音姫買ってもらったりしたけれど、完全には消せない。

そのうち、もうひとりは音のことに気づいたのか
わたしがいる間はトイレに行かなくなった。
わたしもそのひとがお昼ででかける間に用を足すようになった。
それからもう一回、しぶしぶ午後音姫でごまかしながら
しかし、パンツルックのときはチャックを開く音、ズボンを下す音まで聞こえてるんだろうなー
という羞恥プレイに耐えながらトイレに行く。

今朝、出勤前になかなかの波がやってきて自宅で「ふうー」、
しかし、オフィスに到着したのちも不穏な雰囲気の腸。
もう一人が出勤してくる前に行っとくか?
とトイレに行きかけたが、ガチャガチャと玄関の鍵をあける音がしたので
まだ我慢できる状態かなと回れ右をして机に戻った。
下痢でしばらくこもらなければならない状態となれば、まるわかりではないか。
昼まで耐えよう。

しかしやはり、腸は不穏な状態。
さざ波が常に起こっている状態。
ときおり、すこし高くなりかけてはヒヤっとさせてさーっとひいていく。
お昼になれば、もうひとりはでかけるはず。
(たまに、出かけず備蓄食料でしのいでいるが、きょうはそうでないことを切に願う)
そのとたん、トイレに飛び込んで安心して放出しよう。

このようにひそかな、しかし確実な腹痛と羞恥心とタタカイながらもう一時間以上、時計をちらちらみている。
仕事もぜんぜん上の空。

あと40分。
肛門がうずく。