姫の危険

以前の職場でのこと。

当時、パワハラ上司に悩まされていました。

元上司、Aさんは音に聞こえたパワハラのひとで、
それより数年前、別部署にいたときに、
Aさんとのやりとりが一回だけあったとき
「こわいひとだなあ」
という印象を抱いていたのですが
実際、異動してきて上司になるというのを知った時に
あらためていろんな部署にいる知人にきいてみると
全員が「怖い人で有名」「同期がかなりやられた」と。

一見穏やかだけど実はひややかな40歳代の女性で
化粧はあまりしないもののケアはおこたらず、
品の良いきれいな服装と持ち物、手入れの行き届いた髪でした。

なにがどうパワハラだったのかの詳細を思い出そうとすると
また病んでしまいそうなので割愛させていただきますが
自分の身の安全のために、Aさんにへつらって
自分のこころに逆らうこともたくさんして、そんな自分が嫌でした。

いま思えば、Aさんは適切な業務配分ができずに、
まともな支援もせず責め立てて
イベントのたびにひとりの部下に過負荷を与えてはつぶしていました。
わたしもそのひとりで、適応障害におちいり、メンタルクリニックに通ったり
仕事を辞めたいと、Aさんの上司にあたるBさんに相談したりしました。
おもしろいことに、Aさんが恐れていたBさんは、わたしには親切だったのです。
その職場を離れたあともおつきあいさせていただいているBさんによると
「失敗はいつも部下のせいにしていた」
そうで…。

メンタルクリニックに通いつつ、精神安定剤を処方してもらい
だましだまし出勤して、同僚のCさんと支えあいながら業務をこなしていました。
Cさんはおっとりしたたおやかな和美人で態度も丁重なのですが
ほんとは気が強いひとでした。

わたしの次はCさんが2月に実施の大きなイベントのメイン担当となり
へろへろにさされていましたが、補助とはいえ、またわたしも振り回されてしんどい思いをしていたので毎日のように、パントリーや廊下の隅、メールでCさんと愚痴を言い合い、慰めあっていました。
Cさんは「きれいな恰好をして自分が一番だと思っている」Aさんを揶揄して陰で「姫」と呼んでいました。

2月のイベントがなんとか無事に終わり、後処理の段階でも「姫」の不機嫌にふれて
わたしたちは四苦八苦させられていたわけですが
とある業務上でのやりとりで
途中まで「姫」もCcに入れていたのですがCcを外して
(その件に関して)Cさんに「ご迷惑かけてすみません」
とメールしたら、何を血迷ったのかCさん、
姫をもっかいCcに入れて
「気にしないで。姫ももうすぐ落ち着くでしょう」
と返信してきたのです。
すぐ別便で今度こそ、姫を外して「しまった。」と送ってきたのですが後の祭り。
表面こそニコニコへいこらしているものの、陰では「姫」と呼んで悪口言ってることがモロバレです。
姫はすぐ、Bさんに報告してきたと、Bさんからききました。

Cさんはメールや実際に「姫」を訪れて陳謝しましたが
「姫」は白い顔を能面にして無視。
Cさんも根は強いし、3月で「姫」は異動という噂も流れていたので
「ま、仕方ないわね」
と割り切っていました。

そして実際「姫」はその3月に異動していき、平穏がおとずれたのでした。