映画「れいこいるか」を観た

京都木屋町の老舗バー「Jazz in ろくでなし」にちょろちょろ通っています。

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マスターの横ちゃんこと横田さんは、その昔、ピンク映画で若松孝二の助監督をやっていた縁から、多くの映画監督や俳優と親しくしており、彼らの出入りもよくあります。

おかげで、映画好きとはいえ、それまでほぼ洋画しか観たことのなかったわたしも
「ピンク四天王」と呼ばれていたらしい佐藤寿保監督、瀬々敬久監督

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の作品をいくつか観て、実際に監督と飲む機会もあったりしました。

ピンク映画って観たことなかったのですが、佐藤寿保監督や、いまおかしんじ監督の作品をみて
「ただのエロじゃなくて、物語があって、人間の哀しさおかしさを描いていて、意外に哲学だぞ」
と思うようになりました。

横浜をベースに活躍していて、各地をまわって京都に来た際には「ろくでなし」でもライブをするミュージシャンのビトさんが、いまおか監督の「つぐない~新宿ゴールデン街の女~」に出てるということで観に行ったら、これもよかった。内田春菊の元夫も出演していて、いい感じ。

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コロナ自粛の際、ほそぼそ開けていたお店を応援に、ちょろちょろ飲みにでかけていたけれど
いざ自粛要請が解除されたら逆に行かなくなってしまって(たまたま、そのタイミングで節酒ダイエットを始めたせいもあり)2か月ほど職場と家の往復+買い物の生活を続けてようやくでかけるようになった先週末、ろくでなしで横ちゃんが映画「れいこいるか」のちらしを渡してきて明日、京都みなみ会館で上映開始、上映後に監督の舞台挨拶もあるという。そしておそらく、そのあと打ち上げだと、わたしもご一緒にどうぞ、というニュアンスで。

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FBで友達になっているビトさんもポストをあげていて気にはなっていて、ちらしをみると、ますます気になっていたうえに、ちょうどお盆休みで金曜の17時上映開始にも行ける。喜んで参加することに。

当日映画館にいって横ちゃんに合流して開場を待っていると監督がやってきて、
「せっかく関西にきたのだからと、大阪での舞台挨拶も予定しちゃったから、ここでのあいさつのあと、すぐ電車に乗って大阪に行かないといけないんだ」
という。残念だなー、また、今度の機会に…とシアターへ。

映画は、おもしろかった。
阪神淡路大震災で娘を亡くした夫婦の葛藤と絆を描く」
とあるけれど、そんな一言で語れるものではなかった(笑)

「れいこいるか」というのは、題からわかるように「れいこイルカ」と「れいこ、いるか?」をかけてある。
亡くなった娘のことはあるのだけれど、それとは関係ないようないろんな人間模様や生があり性があり、そして一見関係ないようだけれどやっぱり、根底に娘が亡くなったことがあり…
こういう、きれいごとではない描き方もあっていいのか。
と、単館系の底力というか、おもしろさというか、を感じた。

映画が終わってみると、映画館の隣の居酒屋で打ち上げということになり
横ちゃんの知人友人、映画関係者で飲むことにしたら
「じゃあ、20分だけ」
と監督も参加してくださり、乾杯して一杯だけ。
隣だったので、これ幸いと、劇場の質問タイムでみんなの前で言ったり訊いたりするのはためらわれたり(もともと、人前で質問したりするの苦手だし)しゃべってるうちに思いついたりしたことを監督に話したり、訊けたりしてよかった。監督とプロデューサーが大阪にむかったあとも、主演俳優陣と関係者は残り、一緒に飲んでたのであれこれと語れておもしろかった。

映画をみたり、監督の話をきいていろいろと思うことあり、これからそれをじわじわと咀嚼していきたいと思っている。