今週のお題「おうち時間2021」
実際の書店をぶらぶらして書店にいかなければ出会わない本に出会うのが好きで、
大学生のころから、そんなふうに出会って一目ぼれした本は
少々値が張っても買う贅沢を自分に許している。
「TVはくだらない、下品。観るならNHK」という家庭に育って
自然、TVはほとんどみない生活。
けれど下の娘は「TVはBGM」と公言してつけっぱなしており
くだらないバラエティー番組や、しょーもなドラマの音が狭い家内では聞こえてきて
落ち着かない思いをしていたけれどようやく昨年春、
大学卒業して就職した娘が一人暮らしをはじめたので
TVは映画を観るとき以外つけず(夫はF1以外観ない)、静かな生活を享受して
すきなときに読書に没頭できる。
そんなわけで、ありきたりだけれどおうち時間は本の虫。
新聞記事や広告、ネット記事などで興味をもったけれど
買うほどでもないな…と感じた本は、図書館で借りて。
手に入れたいと思った本が、ネットでさがしてみて
新刊本よりお得に手に入るのであれば古本で、
さして値段違わなければ新刊本で。
あとは書店でぶらり出会った本を。
一目ぼれ本にはつい、エキサイトして冷静に値段を考えて吟味するネット買いとちがい
つい、高めでも平気であれこれと買ってしまうね。
そんなわけで、先週末娘につきあってもらい、前から行きたいと思っていた「誠光社」さんで
あれこれ見回った挙句、買ったのがこれら。
・マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか
・老境まんが (ちくま文庫)
・ヤマケイ文庫 男の民俗学大全←これがクソ分厚い!文庫本4冊分くらい
老境まんが以外、まだ手を付けてないけれど楽しみ。
「老境まんが」ではちょうど、娘にこないだ「八犬伝」の話をしていたところに
馬琴の話があったのでこの偶然がおもしろく、また知らなかった事情も知ったりして興味深し。
まだ上記に手を付けてないのは、いまとりかかっている本があるからで、
それはロシアのファンタジー話「ナイトウォッチ」
こないだ久しぶりに自宅で契約チャンネルの見放題から見つけて観だした「ナイトウォッチ」。(そういや何年か前にはユアン・マクレガー主演の同名ホラー映画観たなあ)夫がロシア人で、自分もすこしロシア語やロシア文化がわかるので
観る映画はとくに目的があるもの以外、アクションかロシアがらみのもの。
映画では相変わらずロシアン・マフィアが暗躍してるから結構みるものあって楽しいけれど
ファンタジーなんて観ないわたしがふいっと興味をそそられて観ていたら
ロシア語が流れているとゴキブリホイホイに引き寄せられるゴキブリのように夫が寄ってきて
「これは、ロシアで大人気だったんだよ。ぼくも本を読んだ。
本を読んでないと、この映画理解するの難しいかも、、、」
などと言う。
それでも面白く観てそう伝え、興味を持った映画を観たあとの常、
ネットでいろいろ調べていると、
「本を買うなら、僕がお金もつよ」
と夫が言ってくれたので、ご厚意に甘えてそうする。
そうして到着した本を読み始めると、こないだ映画で映像として観たせいか
頭にはいってくるし、「重なり合っている世界」というのが妙に納得できて、ロシア、モスクワの様子も理解できるのでぐいぐい読み進んでいる。
この「重なりあっていて、何層にもなっている世界」というのが面白い。
人間のなかにわずかに「異人」(和訳では「異人」となっているが、ロシア語に忠実に訳せば「異なる者」という意味)が混じっている。
異人は普通の人間は気づかないこの世界に、能力のレベルによって入ることができる。
それは「薄闇」と呼ばれていて、そこの流れは人間の普通の世界とは違うし、人間は見ることができない。異人が「薄闇」に入っているとき、薄闇と人間界の両方が見える。
異人は異人として目覚めると「光」と「闇」のどちらに所属するか、自分で決める。
「光」は夜を監視するから「ナイトウォッチ」、「闇」は昼間を監視するから「デイウォッチ」。
そうした基本条件のもと、いろんな事件が起こっていくのだけれど
とてもよくわかる、共感できる人間らしい心の動きもからまっているから面白い。
いま半分すこし、読み終えたところ。
ネットで注文して既に届いた諸星大二郎の「雨の日はお化けがいるから」
あちらこちら、気分転換に移りながら読んでこれもすこしずつ、読んでいる。
それから、ネット注文してただいま到着待ちが
・匂いの記憶―知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官
・殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語
・私家版魚類図譜
・栞と紙魚子1
・南総里見八犬伝 (中公文庫)
このうち、
・匂いの記憶―知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官
・殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語
・私家版魚類図譜
の3冊はnoteにいきさつも書いたけど、46歳のとき一瞬つきあった23歳に貸したまま、戻ってきてないやつなんだ。
愛着のある3冊を貸し出したわけで、すっかり連絡断ったけれど
いつかなにかのきっかけで戻ってきてくれるかもしれない、と待っていたのだけれど
どうやら男らしく思い切ったほうがいいらしい、と思い
3冊一気にネットで探して注文したのです。
再読するのが、たのしみだ。
かように、本と人生は切り離して考えられません。