ならんならん

先日、奈良に行った。

3ヶ月ほど前に予約して、料金まで払い込んでてすっかり忘れてたライブがあることに、数日前気づいたのだ。

それで、その数日前からみょうに奈良に行きたい気分になってたのかぁ。

見えない「誰か」がせっせと耳元で
「もうすぐ奈良に行くときだよ、イベントの日だよ」
と囁いてくれてたんだね。
ありがとう。

そうして休日の常の二日酔いのからだ引っ張って奈良に行ってきたわけだ。

こんかいは二日酔いがまあまあ酷かったんで、ほぼそのイベントのためだけの往復。

ライブの席だけ確保して始まる時間までちょっと出て奈良ホテルへ。
奈良ホテルのパウンドケーキが目当てだったんだが、残念なが売り切れ。
はやい時間に来ないといかんか。

ライブあとは、もちいどの商店街などをぶうらぶら。

中川政七商店にも入ったよ。
本店ははじめて行った、以前娘と行ったときは入り方がわからんでねえ。
2Fでうろうろジロジロみたんだけど、
そのなかに「薬師寺の東塔の基壇土でつくった」赤膚焼のお猪口がありましてねえ。
16500円だったよ。

奈良薬師寺の東塔の基壇土で作られたのって貴重だよねえ、
東塔の改修時に、1000何年かその基壇を守ってきた基壇土が取り除かれてですね。
そのままだったら国からしたら、ただの産業廃棄物になるのですって。
それを、名のある窯のいくつかに分けられたのですよ。

とある伝手で、私は数年前別の窯元が作ったお猪口を購入してるのさ、
政七商店で売られているよりよほど安く、もっとかっこいいやつをね。

これがブランディング、売り方ってもんだよねえと思った。
良いものを見つけ出して、そこにつながり、それを上手に売る。
「あそこで売ってるものだから」という安心感がある。

だから生産者から直で買うより高くなるわけだけれど、
そこに入る目利き、手間と売り方、あそこで扱うってブランド代が上乗せされるし
生産者としては、買い手を見つけてもらえるのだから有難いよね。

一方、伝手があり、おのれの審美眼をもち、「この値段なら、妥当な値段だ」という感覚を持っていたら、直で買えるというのは素晴らしいことだ。多くの人は、それらすべてが揃っていなかったりするので、中川政七やら、目利きのひとがセレクトしてくるものが頼りになるから、セレクトショップって大事なのね。以前より、「中間をとりもつ人」=目利きやいろんな仕事のコーディネーターってのが重要になってきている気がする。すくなくとも、存在感が増してきている気がする。