本棚は思い出だな

今週のお題「本棚の中身」

 

さてお題の話を書こうと思って自分の本棚をあらためて眺めた。

父親のように四方を天井まである本棚に囲まれている書斎などなく
読書家に比べて貧弱な蔵書が恥ずかしいのだけれど
こうして見返してみるとまあそこそこは本あるなあ。

そしてあちこちに本棚がある。

漫画と料理本はおいといて、文字の本だけに限ると

・寝室
・夫とわたしのPC部屋
・居間
・わたしの読書部屋使いしているかつての上の子の部屋

に本棚がある。

寝室や読書部屋にあるのは小さくて、仮置き場程度。

PC部屋と居間に置いてるのがメインの本棚で、ざっと分類すると

・ノンフィクション
・心理学系
・犯罪系
・死体系(法医学者の一般人向け本)
・身体系
・文化系(日本文化、歴史案内等)
・文学系
・翻訳モノ
・エッセイ

といった感じかな。

居間の本棚。大学時代の指導教授(カナダ人の詩人)の詩集も。

居間の本棚。死体系とか犯罪系とか。

居間の本棚。犯罪系とか内臓は大事系。

PC部屋本棚。自分の根幹が詰まっている。

PC部屋本棚。SFとか民話系だいすき。

PC部屋本棚。エロス系とか、、、教養ですな。

純粋に話として好きな作家の本として以外にも、
「あのひとに紹介された本だ」
「あのひとにもらったものだ」
などなど、その本や作家、本の来歴にまつわる物語もあったりして
なかなかにニギヤカだ。

 

そのなかでもとくべつな2冊。

「こつまなんきん」今東光

それから6年ほどつきあうことになる、やくざの彼とはじめてお手合わせしたあと
シャワーをあびて登り龍の踊る引き締まった身体にきりりと白いバスタオルを腰に巻いた彼が小さいタオルで髪を拭きながら
「きみの身体はいわゆる『こつまなんきん』やなあ」
と言ったのだった。

「こつまなんきん…?」
今東光の書いた小説にそういう題のがあってな。こつまなんきんていう南京みたいな、身のつまったボリュームがあって色気のある女のことをいうんだよ」

父の本棚から抜いてよく読んだ吉行淳之介の本、対談ものも多くあり、そのなかで今東光との対談もあったわけだけれど、「豪快な和尚なんだな」というイメージで、それまで今東光の書いたものは読んだことがなかったのを古書店に行くときはチェックしてようやく見つけたというわけ。一度だけ読んで、それからは背を眺めてはにやにやしている。あの彼とはいろいろあって、さいきんはもう連絡が途絶えちゃった。そろそろ、もっかい読もうかな。

 

「悦びの触角」白石かずこ
父の本棚からこっそり抜いていまだに持っている本。
子どもの頃住んでいた大きな一軒家からちいさなマンションに引っ越して、蔵書はほとんど処分したらしいから抜いといてよかった。

奔放な白石かずこさんのこの本はなかなかに衝撃的かつたのしくて、思えばわたしの性的に自由な感じは彼女に見習っているところも多いのかもしれない。
白石さんには20年ほど前、伴奏つきの彼女の詩の朗読会に参加して、詩集
「ロバの貴重な涙より」

を買い、サインももらったうえに、伴奏者がわたしの友達だったので打ち上げにも参加させてもらえてお話ができて、とてもとてもシアワセだった。


さいきんは大手の書店が幅を利かせて
おもしろい本を扱っている書店は、いまだ若干あるにはあるけれど
以前よりぐんと少なくなっておもしろくない。

そのなかで、大学の本屋さんはやっぱ普通とちがう品揃えがあったりしておもしろいときもあるなあ。
お金ないくせに、2000円も3000円もする本買ったりして。

でもそれが妙にうれしかったり。

「カムイユカラと昔話」はそんな一冊で、これはほんとに買ってよかったと思ってる。