敵前逃亡小僧

いやはや、新鮮な驚きに包まれております。

仕事がいま、大変でね。

現在社長が動けなくなっており
いくつかある事業を縮小していくってことで
事業の半分に関して、わたしがとりまとめてあちこちに連絡したり
事業所片付けていったりしとっとです。

そのうちのひとつである飲食店。
コロナ禍になり、ここ一年強は店長やってる男子ひとりで切り盛り。
しかし、この子が超絶できない君で、
売上あげるための努力はせんし、
社長が「こうしたら」という提案にも後ろ向き。

時短等の協力金でマイナスになってないものの
努力しているところがまったく見えず、
(社長がふらっと寄ってみたら寝てたとか、、、)
毎日の売り上げは1500円~5000円。
以前から、このお店をたたむことを社長は考えていました。

この機会に店をたたむか、できない君に引き継ぐか
(店舗引き継いで独立してもらう)
を検討するなかで、
「実際にいま、ちゃんとお店をあけているのか」
という確認依頼を受けて、わたしが13時に突撃訪問したとです。
すると、見事に閉まっている。

その場でできない君に電話して
「きょうはお店、開けてないんですか」
「あ、あの買い出しがあってまだ向かえてない状態です」
「何時に開ける予定になってます?」
「きょうは、これからになります」
「普段は、何時に開店の予定ですか?」
「11時半です」

飲料はいつものお店に届けてもらってるし
食べ物は出してないのに、なんの買い出しだあ?
これまでバカでできない子だけど、
自分の仕事には関係ないから、どうこういう筋合いにないし、
と思って優しく対応していたわたしがしゃきーんと冷徹になりました。
はい、わたしは「コワい」自覚あります。

「社長に頼まれて見にきたんですけど。
あと、これこれも用意してくださいとのことですので
わたしに送ってください」
と言ってばしゃんと携帯切った。

それが先週なかば。

週あけるとたちまち、月曜日にわたしのいるオフィスに顔出すことになってるできない君が
「引き継がないことにしました」
と言ってきて、確認するともう今週中に契約終了だと。

それで急遽、水曜日に同僚と物品の確認のために
(できない君がお店のものをコッソリ持ち出し売っ払わないように)
お店に行くことにしたんだが

それを決めたのは月曜日だったけど
時間に余裕を与えて、物持ち帰られたり隠されたりしたら嫌なので
水曜日の朝、「11時半に行きます」とLINEしたら
「かしこまりました」
と返信あったもののまもなく携帯が鳴った。

なにやらあれこれ言うのを順序だてて話させると

これまで光熱費等は請求書を社長に渡して払ってもらっており、
社長が動けなくなった先月からは、請求書類を私に渡してもらい、こちらで支払っているのですが(最初に「光熱費ほか、どこへのどんな支払いがありますか」と聞き取ったはずなのにあとからあとからやれUSENだおしぼりだゴミだと出てきて呆れてた)

・電気料金の6月分を払い忘れていたため、昨日から電気がとまっている。
・昨日、関西電力に電話をしてすぐ振込を行ったが、まだ電気が止まっている。
・復旧するまでにあと1時間半くらいかかるかもしれない

と言う。

「つまり、わたしたちが11時半に行ったとき、電気ついてないかもしれないといいたいわけ?」
「はい」
「どうしようかな、…でもまあ、予定通り11時半からにします」

同僚にはその旨連絡し、
「わたしは諸処への連絡があるのですこし遅れるかもしれないから、ろうそくつけて百物語でもやっといてください」
と言っておく。
同僚ものってくれて
「お盆過ぎなので、ろうそくが安く売られているといいのですが」
と返してくれる。

そうこうしているうちに「復旧しました」との連絡があったので出かける。

話を総合して推測するに、
昨日出勤してきてみたら電気がついてない。
慌てて関電に電話して払い込み。
あとでしれっとして「払い忘れてたので、経費から払っておきました」
と電気止められたこと(そして当然昨日働いてないこと)は言わずに報告するつもりでいたんだろうけど
今朝、わたしから「今日行きます」と言われて出勤したところ
まだ電気ついてないので慌てて連絡してきたんだろうな。

仕事できない君だけじゃなくて、悪いこともできない君でした。

そんなこんなで無事照明のついたなか、ある程度の引継ぎやらをして
散らかってる箇所を整理すること、契約解除に必要なあれこれを準備することをお願いして帰りました。

金曜日は、お店を閉める時間である20時にわたしが行き
最終の引継ぎをして、できない君の鍵を引き取ってサヨウナラの予定。
できない君、水曜に頼んだ業者への連絡はさっさとしてくれてちょっと見直したんだが、同時に頼んでいた、業者連絡先と契約解除の進捗状況表埋めて今日中に返してねと言ってたやつが返ってこなかったので木曜日に訊くと
「すみません、本日中に送ります」
それでも木曜日にも来なかったので
確認して抜けてるとこあったら訊きたいと思い、金曜日の昼に
「17時までに返してください」
とLINE送ったら既読スルー。

そのうち、会社の顧問弁護士から電話があって
「できない君から、『自分の契約の義務範囲はどこまでか』という質問があった。
どういう意図での質問ですか?
と尋ね返すと、片付けが終わりきらない、どこまで私の言うことを聞けばいいのか、私が来る前に郵便受けに鍵を置いて帰っていいか、という相談があったので『そこは契約の範囲内なので、きちんと職務をまっとうしてください』とお願いしておきました」
とのこと。

ほか、できない君のいう預かり経費の管理についてアヤシイところがあるので、それも確認してほしい、ただ、問い詰めるのではなく、やさしく…と言われたのではやる気持ちを抑え、好戦的な自分を持て余しながら念のためはやめに行ったのですが

・・・やられた。

案の定ドアが閉まっていて、水曜日に合鍵を預かっていたのでそれで開けたところ、もぬけの殻でした。

一応、片付けはしてあって、必要な書類はわかりやすいところに置いてあったけど

こどもかあ~???

う~ん、業種によってはこういうことする人多いのもあるんかもしれんけど
これまで長いこと、こういうことする人の存在しない世界で働いてきたもんでビックリ。
わたしコワい自覚あるけどさ、これしきでビビって逃げてたらこれからどうするのよ。

当然ながらわたしのLINEや電話にはもう出ない。
私コワいけどさ、別に個人的なうらみないし、
最後は淡々と引き継ごうと思ってたのに。
最後の最後で逃げて、これからビクビクした後ろめたい気持ちで過ごすのは自分なのに。
場合によっては「逃げるは恥だが役に立つ」んだろうけれど
社会人として多くの場合は逃げたらあかんこともある。
とくに今回、最後はわたしコワかったかもしれんけど一瞬だったし
(本人にとっては脅威だったのかもだけど)
何度も言うけど、最後は淡々と引き継ぐだけのつもりだったんだけどなあ。

いやはや、いろんなひとが世の中にはいるもんですね、勉強になります。