とかげル溺れル

いまはむかしの話ですが、すこし交流のあった方と飲んでおりましたら
時計をはめている手首を動かしてちゃらちゃら腕時計の音を鳴らす、
というのを何度か繰り返されるのです。

「素敵な時計をしていらっしゃいますね」
とか、ご自慢のハイブランド(つっても、そのブランドで最廉価のラインでしたが)の時計をほめて欲しいんだろけど

わかりやすいブランドものをこれ見よがしに身に着けるとか
自慢に思うのは、卑しい者がすることだと思っているもので
あえて言及しなかったのですが

その方のあれこれを読むに、きっと
「気の利かない女だなあ」
と思われたことでしょう。

しかし、昨日よくいくお店での自分の言動を思い返すと
隣り合った人と何気なくしゃべりながら、カウンターに手を乗せて
自分の指輪をしみじみと眺めていたのです。

さいきん購入したその指輪がたいへん気に入って
いとおしくて、いくら見ても見飽きないということもあったのですが
ああなんということでしょう、「卑しい者」とひとのことを言っておきながら
わたしもあの手首をちゃらちゃらするがごとく
手をカウンターに乗せてみせて
「あら、素敵な指輪してるんですね」
と言って欲しかったのです!

だって可愛いんだもの、こないだネットで買ったシルバーに目に緑の石いれたトカゲの指輪。

愛着のあるものには名前をつけるわたくし、
この指輪は「トカゲる」と名付けました。

ネットで注文して届いた桐箱あけたら、箱のなかで溺れている様子がとっても可愛かったのです。

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トカゲる

ちなみに、緑のエイ革で作ってもらった財布は「Hebi(エビ)ちゃん」、
猫の絵の入った時計は「ムルジック」(ロシアでよく猫につけられる名前)と名付けております。