ハレ、ときどき天才

とあるサイトにとある回答を書いているうちに
ふいっと昔書いた話を思い出した。

それを引っぱり出してこようと
むかしの自分のウェブサイト情報を保管しているフォルダをあさる。

いまでこそ、いろんなブログサイトや小説発表サイトができて
猫も杓子も作家気取りであちこちに書いているけれど
(わたしもそのひとりなわけだが)

20年くらい前、まだいまほどみんながネットに張り付いてない頃
仕事関係で若干だけ、基本のHTMLを書けたものだから
(いまでは、HTMLなんて知らずともウェブページ開設できますが)
そして、安いスペースを契約していたものだから
じぶんのウェブページを開設して、

・日々の日記
・小説

をあげていた。

だんだん量が増えて、スペースが足らなくなってきたころ、
Wixが台頭してきたのと、数少ない読者のうちに
すこし、執着してきたひとがいて怖くなったのもあり
逃げるようにWixに移行したわけだけれど
もちろん、当時のデータは残してあるのだ。

もともと、コンピュータが得意なわけでもなく
整理整頓もうまくないのでそのまんま、
さきほど思いついて記憶を頼りにさかのぼり
めぼしをつけてようやくめあてのショートショートを探し当てたわけだけれど
過去の情報を眺めてみれば、けっこう長いこといろいろ書いてきたんだな
なかには、「じぶん、悪くないぞ」というのがたまに、
ほんのたまーにだけどある。

そんな数少ない、当時のファンのひとりから
「こういうの好きです」
と言ってもらった話を以下に。

 

ーーーーー

 

でぱちか物語

デパートの地下は、賑わってるけど、
いや、賑わってるから?地下独特の閉塞感?
わうんわうんと音にならない音が響いていて、むらむらとした熱気で気分悪くなってしまう。
今日は繁華街に寄ったついでに意外に安いデパートの地下で、野菜を買っていこうと思って
降りてきたんだけど・・・

わうんわうんわうん。
「いらっしゃいませー○○の団子でございます」
「挙げたてのピロシキです」
「今日限りのパイです」
血液サラサラ32品目サラダをどうぞ!」
何買おうと思ってたんだっけ?
だんだん、周りのしゃべり声や掛け声もヘンな風にきこえてきた。

「新型のドラム缶でございまーす」
「あの方、こないだトンボの羽根が生えてきてねえ・・・」
「まあ、それじゃ、皆で食べにいかないと」
「アキラって昨日外様大名になって」

わああああー
慌てて地上に出るけど、まだまだヘンは続いている
「吸血コウモリの糞どうぞ」といいながらティッシュの代わりになにか袋に入ったもの配ってる
「あひる、あひる、あひる」
「あひる、あひる、あひる」
と会話しながら歩いている若い子、
「うろこを全部はがしたら体にいいらしいわよ」
「あら、わたしはうろこを1個とって毎朝ミキサーで」
「え~、ご不要になりましたながさき市、ボロがございましたら・・・」

わーっ
耳を押さえて車道に飛び出したらどん!と重い衝撃を感じて意識が遠のいていった。