1984年

オーウェルの「1984年」、ようやく読み終わりました。

 「1984年」を知ったきっかけは、ミーハーですが
デビッド・ボウイが「1984」や

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「ビッグ・ブラザー」

 

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という曲を作って歌っていたことから。
ほか、いろんな考えや映画その他にも影響を与えているようなので(実際、我が家でもしばしば”Big Brother is watching us”(ビッグブラザーが見てるからね)と冗談で言う)、教養としても読んどかねばならんとずいぶん前に買っていて、本棚の肥やしにしていたのだけれど
先日ようやく、機が熟しまして
読み始めたら面白く(途中、冗長な部分もありましたが)
ぐんぐん読んでいきました。

読み始めたころ、夫(ロシア人)に
「いま、1984年読んでるんだ」
と言うと
「へえ!読んでしまった?」
「ううん、まだ途中。3分の1くらい」
「読み終えたら、感想を言い合おうか。僕の持った感想と、君のもった感想と」
「うん、いいね!」
「ま、僕は読んだことないけど」
「え」

ときどき、夫はこんなヘンな冗談を言います。
「〇〇って知ってる?」
「ううん、知らない」
「じゃあ、××は?」
「知ってる。あれみたいの?」
「〇〇は、××と似ても似つかないんだ」
みたいな。
なんの参考にもならねーじゃん!

「読んでたら、全体主義とか、情報統制とか、ソ連を思わせる」
「そうでしょ。ソ連時代でも意外に禁止されてなくて、多くのひとが読んでた…いや、ペレストロイカの頃かな。でも、僕は興味なくて。なんで現実世界がそうであるのに、わざわざ読むのか、と」

そうだよねー。
読めば読むほど、「ソ連みたい」と思ってしまった。
全ては党の都合のいいように。
過去は書き換えられる。
配給制度。
民共通の「敵」を持つことで人心をまとめる。

当時、ソ連共産党への恐怖が強かったんだろうなー
と思うのと同時に、1940年代にして、放送もできればこちらの様子を見る(監視)することのできる「テレスクリーン」というアイデアがあるのに感心したり
「戦争は、人心をまとめるためと、作ったものを無駄にしないため、働く理由をつくるため」
といったような、真理をついてるな~と思うところや
いまではこんなにも存在感のあるアラブ世界については、ほとんど出てこないから、当時の西洋世界では歯牙にもかけてなかったんだろうなーとか
主要登場人物であり、表向き党に従順というよりは熱心な運動員であるが実は裏で党に反抗する活動を行い、人生を享受しようと腐心しているジューリアが自分に重なって興味深かったり
拷問の様子はついつい、想像力が豊かなものでつらかったり

あと、最初から意識の隅にあったのがもう20年ほども前に観た
未来世紀ブラジル

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たしか、と思ってWikiをみてみると
オーウェルディストピア小説が、映画の一つの題材になっている。」
やはりね。
1985年に公開されているというのも意味深ですね。
もう一度、観てみたい。